後脛骨筋腱炎(内くるぶしの痛み)が治らない方へ

内くるぶしの痛みで足首を押さえるランナー
足首・腱のスポーツ障害

「走ると内くるぶしの下がズキッと痛む」「捻挫だと思って安静にしていたのに治らない」——その長引く内くるぶしの痛み、後脛骨筋腱炎かもしれません。足のアーチの低下(扁平足)や過回内は発症に関わる要因のひとつとされ、また安静だけでは腱が負荷に耐える力は戻りにくいため、休んで再開するとぶり返すことがあります。当院では歩行と足部の評価をもとに、段階的な運動療法・オーダーメイドインソール(フォームソティックス)・鍼灸を組み合わせ、競技や仕事への復帰を目指してサポートします。

後脛骨筋腱炎とは

後脛骨筋腱炎とは、すねの奥からふくらはぎの内側を通り、内くるぶしの後ろを回って土踏まず(舟状骨)に付く「後脛骨筋(こうけいこつきん)」の腱や、その腱鞘に痛みが出る状態です。医学的には「後脛骨筋腱症(腱障害)」や「後脛骨筋腱機能不全(PTTD)」とも呼ばれます。長引く腱の痛みには、炎症だけでなく腱の組織が負荷に適応しきれていない状態(変性)が関わると考えられており、近年は「腱炎」より「腱症」という呼び方が使われる傾向にあります。後脛骨筋は土踏まずのアーチを支える筋肉のひとつで、腱の機能低下が進んだ場合には、アーチが徐々に低下していく(成人期扁平足)ことがあります。

スポーツではランナーやジャンプ・切り返しの多い競技の方、また長時間の立ち仕事の方にみられます。一般には40代以降の女性に多いことが知られており、体重の増加、扁平足・過回内(オーバープロネーション)、糖尿病・高血圧・関節リウマチなどが関連要因として報告されています。「捻挫かと思っていたら長引いている」という方も少なくありません。痛みを我慢して負荷をかけ続けると長引きやすいため、早めに状態を確認することをおすすめします。

まずは、原因の場所を確かめませんか

当院では初回に60分の検査を行い、歩行解析と足部評価の結果をA4レポートにしてお渡ししています。

初回検査コース 60分 6,600円(税込)

後脛骨筋腱炎の主な原因

オーバーユース

走り込みや長時間の立ち仕事で腱への負担が蓄積。

扁平足・過回内

アーチが低い・内側に倒れ込みやすい足では、腱への負担が大きくなりやすい。

柔軟性・筋力不足

ふくらはぎの硬さや筋力低下で腱への負担が増大。

シューズ・環境

サポート不足のシューズや硬い路面での走行が影響。

安静にしても治らないのはなぜか

安静にすると一時的に痛みは引きます。しかし腱は、使わないでいると負荷に耐える力(負荷耐性)が落ちていきます。痛みが引いたところで以前と同じ量の練習や立ち仕事に戻ると、腱の耐えられる負荷を上回ってしまい、ぶり返すことがあります。加えて、足のアーチが低い・内側に倒れ込みやすいといった足の特徴があると、後脛骨筋腱にかかる負担は大きくなりやすいとされています。「安静→再開→再発」を繰り返している場合は、休み方だけでなく、①腱に少しずつ負荷をかけて強くしていく運動療法、②足元で腱への負担を減らす工夫、③練習量・仕事量の調整、の3つを見直す必要があるかもしれません。

後脛骨筋腱の障害を対象にした研究では、インソール(足底板)とストレッチだけでも痛みと機能は改善し、そこに後脛骨筋の筋力トレーニング(遠心性)を加えたグループで改善がより大きかったと報告されています(Kulig ら, 2009)。当院でもこの考え方に沿って、運動療法を中心に、インソールと施術を組み合わせて進めます。

こんな症状はありませんか

・走ると足首の内側がズキズキ痛む

・土踏まずのあたりが疲れやすく、痛みが出る

・足首の内側を押すと圧痛がある

・扁平足・過回内と言われたことがある

・捻挫と思っていたが、なかなか痛みが引かない

・痛みをかばいながら練習・仕事を続けている

足首の強い腫れ・熱感・安静時にも強い痛みが続く場合、片脚でかかとを上げる(つま先立ち)ことができない場合、土踏まずが目に見えて低くなってきた場合は、腱の断裂や骨折、進行した腱機能不全の可能性があります。まず整形外科での検査(エコー・MRI等)をおすすめします。しびれや足裏の感覚の異常を伴う場合も、神経の問題が隠れていることがあるため医療機関での確認が必要です。

シンスプリント・捻挫と間違われやすい内くるぶしの痛み

内くるぶし周辺の痛みは、シンスプリント(すねの内側の痛み)や足首の捻挫と混同されやすい症状です。目安として——

・シンスプリント:すねの内側の骨に沿った広い範囲の痛み

・足関節捻挫:ひねった記憶があり、外くるぶし側が痛むことが多い

・後脛骨筋腱炎:内くるぶしの「後ろ〜下」に痛みと圧痛。つま先立ちで痛み、土踏まずの疲労感を伴う

「捻挫だと思っていたが数週間たっても治らない」という場合、後脛骨筋腱炎が隠れているケースが少なくありません。このほか、有痛性外脛骨(土踏まずの内側の骨の出っ張りの痛み)、舟状骨や内くるぶしの疲労骨折、足根管症候群(しびれを伴う)なども似た場所に痛みが出ます。特に舟状骨の疲労骨折は見逃されやすいため、骨を押して強く痛む場合は画像検査が必要です。自己判断で長引かせる前に、一度ご相談ください。

当院の後脛骨筋腱炎へのアプローチの特徴

後脛骨筋腱の障害では、腱にかかる負荷(練習量・足の特徴・シューズなど)と、腱がその負荷に耐える力のバランスが崩れていると考えられます。竜北スポーツ鍼灸院では、歩行解析と足部評価で負担のかかり方を確認したうえで、段階的な運動療法で腱の負荷耐性を高めること、インソールで日常の腱への負担を減らすこと、鍼灸・物理療法で痛みのある時期を過ごしやすくすることを組み合わせます。

「早く現場に戻りたい」「長引く足首の内側の痛みをどうにかしたい」というお悩みに寄り添いながら、一人ひとりの足と競技・仕事の状況に合わせたプランをご提案します。

インソール(フォームソティックス)で「歩いている間の負担」を減らす

施術ベッドの上で腱をケアできるのは週にわずかな時間です。一方、後脛骨筋腱に負荷がかかるのは、歩き、立ち、走っているすべての時間です。足底板(インソール)は、アーチを支えて後脛骨筋腱への負担を軽減する目的で用いられ、後脛骨筋腱の障害に対する保存療法の基本のひとつとされています。ただしインソールは足の骨格そのものを変えるものではなく、単独よりも運動療法と組み合わせることが大切です。当院ではフォームソティックス(オーダーメイドインソール)を、運動療法と並ぶ柱として位置づけています。

足の計測・適合は院内で行います。→ 熊本の医療用インソール|足専門外来

当院の物理療法機器

当院では中周波治療器(IM-2000)・超音波治療器(ウルトラソン/LIPUS)・ラジオ波治療器(ラジオスティム)・低周波治療器(フィジオアクティブ)・立体動態波治療器(ES-8000)の5種類の物理療法機器を完備しています。痛みの強い時期の鎮痛や、筋力トレーニングの補助として、症状の段階に応じて使い分けます。なお、腱の障害に対する超音波・電気刺激などの物理療法は、研究によって結果が分かれており、単独で十分な根拠があるとはいえません。当院では物理療法を主役にせず、運動療法を進めやすくするための補助として用いています。

オーダーメイドインソール(フォームソティックス)は、足のアーチを支えて後脛骨筋腱への負担を軽減することを目的に、施術時間外の日常生活・練習中にも使用していただきます。

まずは、原因の場所を確かめませんか

当院では初回に60分の検査を行い、歩行解析と足部評価の結果をA4レポートにしてお渡ししています。

初回検査コース 60分 6,600円(税込)

段階的アプローチ

1

痛みが強い時期

練習量・仕事量を痛みに合わせて一時的に調整し、完全な安静ではなく、痛みが強くならない範囲での運動(等尺性収縮など)から始めます。IM-2000やフィジオアクティブのTENSで痛みの緩和を図り、フォームソティックスを早期から導入して歩行・練習中の腱への負担軽減を図ります。

2

負荷を少しずつ上げる時期

後脛骨筋の筋力トレーニング(ゴムチューブを使った内返し運動、かかと上げなど)を、痛みの反応を見ながら段階的に強めていきます。ふくらはぎのストレッチも併せて行います。鍼灸や物理療法(ウルトラソン、ラジオスティム、ES-8000など)は、ふくらはぎの張りや痛みに対して補助的に用います。

3

競技・仕事に戻していく時期

片脚でのかかと上げ、ホップ、ジャンプ、ランニングなど、競技や仕事に近い動きへ段階的に移行します。足部内在筋のトレーニングやEMS(フィジオアクティブ、ES-8000)を補助的に用い、セルフエクササイズの指導とフォームソティックスの調整を続けながら、再発しにくい状態を目指します。

4

競技復帰・メンテナンス期

練習量の急な増加を避けながら、セルフエクササイズとフォームソティックスの継続使用で、シーズン中も後脛骨筋腱への負担を管理します。ご希望に応じて、ラジオスティムなどによる練習後のコンディショニングも行います。

鍼灸について

当院では、ふくらはぎ・後脛骨筋周辺の筋緊張や痛みに対して鍼灸を行います。鍼灸については、テニス肘やアキレス腱など他の部位の腱の痛みで、短期的な痛みの軽減を示した研究がある一方、研究の質や数には限りがあり、後脛骨筋腱に限定した質の高い研究はまだほとんどありません。そのため当院では、鍼灸を単独の治療としてではなく、運動療法を進めやすくするための補助として位置づけています。

ただし、腱の変性が進んでいるケースや腱断裂が疑われる場合は、まず整形外科での精密検査(超音波エコー・MRI等)を優先してください。当院では状態を評価した上で、鍼灸・物理療法で対応可能かどうかを率直にお伝えします。

正直にお伝えしたいこと

後脛骨筋腱炎は「捻挫と間違われやすい」障害です。痛みを我慢して負荷をかけ続けると長引くことがあり、中高年の方では腱の機能低下が進んで土踏まずが低下していく場合もあります。「長引く足首内側の痛み」は早めに状態を確認することをおすすめします。また、腱の回復には時間がかかります。研究で用いられた運動プログラムも10〜12週間程度が一般的で、数回の施術ですぐに治るものではありません。

当院では、運動療法・インソール・鍼灸を組み合わせて、日常生活や競技への復帰を目指します。できることとできないことを最初に正直にお伝えします。

足首内側の痛みでお困りの方はお気軽にご相談ください
スポーツ専門の鍼灸師と充実した設備で競技復帰をサポートします

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よくあるご質問

Q. 捻挫だと思って安静にしていたのに治りません。

A. 内くるぶしの後ろ〜下が長引いて痛む場合、後脛骨筋腱炎の可能性があります。安静にすると痛みは引きやすい一方で、腱が負荷に耐える力は戻りにくく、足の特徴による負担も残ったままのため、再開するとぶり返すことがあります。ほかの障害(疲労骨折など)が隠れていないかの確認も含め、一度ご相談ください。

Q. 「安静→再開→再発」を繰り返しています。休み方が足りないのでしょうか?

A. 休み方だけの問題ではないかもしれません。腱に少しずつ負荷をかけて強くしていく運動療法が十分に行われていない、練習量の戻し方が急、足の特徴による負担が大きい、といった要因が重なっていることがあります。当院では評価をもとに、運動療法とインソール、施術を組み合わせて進めます。

Q. 放っておくとどうなりますか?

A. 若いスポーツ選手では、練習量の調整と運動療法で対応していくのが一般的ですが、痛みを我慢して続けると長引くことがあります。中高年の方では、腱の機能低下が進んで土踏まずが徐々に低下していく(成人期扁平足)場合があり、進行すると装具療法や手術が検討されることもあります。早めのご相談をおすすめします。

Q. 立ち仕事なのですが、続けながら通えますか?

A. 多くの方が仕事を続けながら通われています。インソールは靴を履いている間に使えるため、立ち仕事や長時間の歩行が多い方にも取り入れやすい方法です。

Q. インソールの費用はいくらですか?

A. オーダーメイドインソール(フォームソティックス・メディカル)は、評価・フィッティング料込みで16,500円(税込)です。必須ではなく、まずは鍼灸・物理療法から始めることもできます。

※ 症状の経過や効果の感じ方には個人差があります。診断・治療が必要な状態と判断した場合は、医療機関の受診をご案内しています。

参考文献
・Kulig K, et al. Nonsurgical management of posterior tibial tendon dysfunction with orthoses and resistive exercise: a randomized controlled trial. Phys Ther. 2009;89(1):26-37.
・Ross MH, et al. Exercise for posterior tibial tendon dysfunction: a systematic review of randomised clinical trials and clinical guidelines. BMJ Open Sport Exerc Med. 2018;4(1):e000430.

後脛骨筋腱炎、足元から見直してみませんか

運動療法・インソール・鍼灸を組み合わせて、再発しにくい状態を目指します。

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